デジタル信号機の設置方法

信号機を組み立てる

1.箱の中身を確認する

デジタル信号機外箱

信号機の箱の中には 非常にたくさんの配線とパーツが同梱されています。しかし、実際に必要なパーツはごく一部です。
不要なパーツを含めて、たくさんのパーツが同梱されている理由は、アナログ制御方式を採用しているレイアウトでも使えるように、メルクリン社が過去に発売していたすべてのシステムに対応できるように互換性を保っているためです。本説明で使用しないパーツは、そのような場合に必要になるパーツです。
※本説明では76391 デジタル信号機を例にしていますが、機種が変わっても中身はほぼ同じです。

下の写真は箱に入っている同梱物すべてです。

デジタル信号機の同梱物すべての写真

この中から、デジタル運転方式で使用するパーツは4つだけです。
(1)信号機本体(信号機+基板+赤いリード線2本+黄茶リード線)一式
(2)赤茶リード線(片方がCトラックへの端子、もう片方が白い端子になっているもの)
(3)プラスチックの板2枚(信号機の台座に取り付けて信号機を固定するもの)
(4)赤い絶縁端子(ビニル袋の中に入っています)

必要なものだけを取り出した状態が下の写真です。これ以外のパーツは使用しませんが、保存しておくことをお奨めします。

デジタル信号機の必要なものだけの写真

また、ぜひ注意していただきたい点として、信号機の基板の後ろに付いている金属の棒がはさまったボール紙は絶対に必要です。これをなくしてしまうと、信号機の設定が大変面倒になりますので、このパーツは確実に保存しておいてください。

金属の付いたボール紙はなくさないこと

2.基板から黄茶線を取り外す

箱から出した状態では、基板から赤いリード線2本(基板に直結されています)と黄茶リード線(コネクタで接続されている)が伸びています。
このうち、黄茶リード線は使用しませんので、取り外します。
基板をしっかりと持って、コネクタ端子ごと取り外します。

黄茶線を取り外す

3.赤茶リード線を基板に取り付ける

信号機の基板に赤茶リード線を取り付けます。
取り付ける位置は、3つある基板のコネクターのうちの、中央のコネクターです。
リード線の白い端子をコネクターにしっかりと差し込みます。

赤茶線を取り付ける

これで信号機は完成です。

《動画で見てみよう》


4.信号機のアドレスを設定する

信号機は実際に使用する前に、アドレスを設定する必要があります。
信号機に割り当てるアドレスは、機関車に割り当てるアドレスとは別で、キーボード画面の何番のスイッチで信号機を操作するかのアドレスです。

MS2のキーボード画面

信号機にはキーボードの好きな番号を割り当てることが出来ます。
ただし一部、信号機の表示灯の数が多い信号機では、一度に複数のキーボードアドレスを使用します。そういう信号機では画面の表示上の都合で、必ず奇数の番号(1、3、5、7…など)にアドレスを割り当てる必要があります。
奇数でも偶数でも好きな番号にアドレスを割り当てることができる信号機は、76391、76371、76372、76395です。その他の信号機は、奇数のアドレスを割り当ててください。

それでは信号機にアドレスを割り当てましょう。

【作業前に確認してください】
信号機の基盤に金属の付いたボール紙が付いていることを確認してください。もし、ボール紙が付いていない時は、基盤の左右の穴に金属の棒がひっかかるようにボール紙を取り付けてください。
信号機のアドレスを変更する時には、基盤の両方の穴が金属棒で接続されている必要があります。

【1】ストップボタンを押して、線路への給電を停止します。

【2】信号機の赤茶線をCトラックに接続します。

【3】MS2またはCS2でキーボード画面を表示させます。
キーボードは登録したい番号の画面を表示してください。例えば、11番に登録したい時は、11番のキーボードが表示されている画面に切り替えます。

【4】ストップボタンを解除して線路へ給電を開始します。すると、信号機のランプが、赤/青を交互に点滅する状態になります。

【5】信号機が点滅している間に、設定したいアドレスのキーボードの、赤か青いずれかのボタンを押します。

【6】信号機の表示が片方だけの色の点灯に変わり、少し経つと赤/青両方の表示が点灯して、再び片方の点灯に戻ります。

これで設定が完了しました。ストップボタンを押して、再度線路への給電を止めます。
※信号機が点滅しなかったり、ボタンを押しても設定が完了しない場合には、一度ストップボタンを押して、線路への給電を止めてから、再度最初の手順から行なってください。

《動画で見てみよう》


5. 信号機の動作を確認する

信号機が正しく動作することを確認します。

【1】基盤に取り付けてある金属の付いたボール紙を取り外します。
※取り外したパーツは、信号機のアドレスを変更する際には必要になりますので、大切に保管しておいてください。

【2】ストップボタンを解除して、線路への給電を開始します。

【3】キーボードのボタンを押して、信号機を操作します。

【4】正しく信号機が切り替ることを確認します。

信号機が正しく動作しない時は、ひとつ前の「4.信号機のアドレスを設定する」の手順を、最初からもう一度実行してください。

《動画で見てみよう》


Cトラックに信号機を設置する

1.信号機のマストを取り外す

作業をする前に、信号機のマストを台座から取り外しておきます。
信号機のアドレス情報などはマストに記憶されています。マストは細くて折れやすいので、外しておかないと作業中に何か衝撃が加わって折れてしまったりすることがあります。そのため、あらかじめ台座から取り外しておいた方が安心です。

根元の部分を後ろにスライドさせるとマストは外れます

《動画で見てみよう》


2.Cトラックに絶縁区間を作る

信号機は下図のように配線して取り付けます。

信号機配線図

信号機は、レイアウト上に絶縁区間を作って、そこに取り付けます。
信号が赤になった時に、その絶縁区間への給電を停止することによって、列車を停車させる仕組みです。信号が青の場合には、絶縁区間にも通常通り電気が流れますので、列車はそのまま走り続けることが出来ます。

Cトラックのレイアウトに絶縁区間を作ることはとても簡単です。レールの間に赤い絶縁キャップを挟み込むだけで、どこでも好きな区間を絶縁することが出来ます。
赤い絶縁キャップは、Cトラックの接続部の金具のうち、内側に付いている金具にはめ込みます。つまりセンターレールだけを絶縁することになりますが、これで絶縁区間が出来上がります。

赤い絶縁キャップのはめ方

絶縁キャップはつなぎ合わせるレール両方にはめてから、レールを接続します。

赤い絶縁キャップのはめ方

絶縁する区間の前後にキャップを挟みます。絶縁区間の長さは188mmのレール(24188)が2本くらいが適当です(機関車が十分に停止できる距離があれば良い)。

3. Cトラックに配線する

基板から伸びている赤茶線を、絶縁区間ではない部分のレールに繋ぎます。これは信号機の基板に電気を供給するための配線です。
基板から伸びている2本の赤いリードを、1本を絶縁区間内のレールに、もう1本を絶縁区間ではない部分のレールに繋ぎます。

基板はCトラックの下に収納できますので、突起に合わせて基板をはめ込みます。

最後に信号機の台座を取り付けます。
レールを元通りに接続したら、マストを戻しておきます。プラスチックの蓋を台座に取り付けて完成です。

《動画で見てみよう》


信号機で列車を止めてみよう

それでは実際に列車を止めてみましょう。

列車を走らせます。
キーボード画面で信号機を赤にしておくと、列車は信号機の前で停止します。

停止した列車は信号機を青にすると、再び元の速度で走り出します。
いちいちスロットルを回して列車の速度を指定する必要はありません。

《動画で見てみよう》