メルクリンとは?

ドイツ生まれの鉄道模型です

「メルクリン」は150年以上の歴史を持つ、ドイツの老舗玩具メーカーの名前です。
1895年に最初の鉄道模型を発売して以来、世界中の人たちに愛されて、世界最大級のシェアを持ち続けています。

現在のメルクリン製品は、世界標準的な大きさの鉄道模型である線路幅が16.5mm、1/87スケールの「HOゲージ」の他に、線路幅が45mmの大型鉄道模型である「1番ゲージ」、線路幅が6.5mmで車両が手のひらに乗ってしまうほど小さな「Zゲージ」の3種類があります。
中でも一番のおすすめは「HOゲージ」です。HOゲージは、ラインナップも多彩で扱いやすく、3線式での安定した走行性能やデジタル制御の楽しさなど、鉄道模型の魅力が満載です。

同じメルクリン社の製品でも、HOゲージと他の製品は構造から大きく異なりますので、HRSのメルクリン入門では、以後基本的に「HOゲージ」についてのみ説明します。お店でも取り扱っている製品はHOゲージが主流になり、他の製品は基本的にお取り寄せになりますので、どうぞご了承ください。

1番ゲージ、HOゲージ、Zゲージの比較図

メルクリンはドイツ生まれの鉄道模型ですので、日本の車両(新幹線、山手線、京阪電車など)はラインナップにはありません。
メルクリンから発売されている車両は、すべてヨーロッパやアメリカなど、海外で走っている列車です。
もともと日本のJR線などで採用されている線路の幅は、海外の国際標準の線路幅よりも狭いため、仮に日本の車両を発売したとしても、同じ縮尺では多くの車両のスケールが異なってしまうという問題もあります。
しかし、日本の車両がないからと言ってメルクリンが楽しくないわけではありません。海外の車両や鉄道のことを知らない人でも、多くの人がメルクリンで遊んでいます。たくさんの綺麗でかっこいい列車たちが走っているのを眺めていると、日本の車両でなくてもとても魅力的に感じるからです。
また、鉄道ファンではないので列車のことはよく知らないけれどメルクリンファンだ、という人もたくさんいらっしゃいます。初めは「日本の列車がないからなぁ」と思っていた人でも、走っている列車を見ていると、そのうちに気にならなくなるみたいです。

メルクリン車両の魅力

量産品としては高水準な作り

細部まで作り込まれたディディール、タンポ印刷を利用した細かく美しい塗装は、模型として鑑賞するにも高水準なクオリティを保っています。模型の醍醐味のひとつ、飾って楽しむことでもメルクリン製品には魅力が溢れています。
また、様々な機関車の形やパターン、ギミックに合わせひとつひとつを設計を変えているので、足回りの構造や内部の駆動させる構造、特別な機能など、様々なメカニカルな工夫をみることができます。機械としての構造を楽しむにもメルクリンの魅力があります。

強力な牽引力

重くしっかりと作ることのこだわりは、耐久性の他に牽引力の強さを維持することも兼ねています。
強力なモーターでレールとの接点の小さな車輪を動かし、連結した客車や貨車を何台も牽引することを想定しています。標準的なサイズの機関車であれば10両以上つなげても平気で引っ張っていきます。
※動力をもたない客車や貨車は、何台も連結できるように重両を軽くするため、プラスチックを主に使った設計がなされています。

長大な編成をけん引する蒸気機関車

滑らかな走行性能

走らせる為の鉄道模型を一貫するメルクリン社の真価はその滑らかな走行性能にあります。牽引力をしっかりと保ちながらも、好みのスピード調整で滑らかな走行を見せてくれます。
重量や質量の高い機関車が動く様は、目で感じる重さがあり、独特の雰囲気を感じることができます。

優れたメンテナンス性

メルクリン社の製品は購入するユーザーが自分でメンテナンスできるように設計されています。
通常に走らせるに当たっては、油の注入や、摩耗品の交換程度ですが、同封される説明書に挿し絵付きで誰でも簡単にメンテナンスできるように配慮があります。
安心してユーザーが長く製品を楽しめるメンテナンスやアフターのサービスが徹底されています。

メンテナンス中の機関車の写真

たくさんの列車を簡単に走らせることができます

「メルクリン」の魅力を一言で表現すると、『たくさんの列車を、誰でも簡単に走らせて遊ぶことができる』ということだと思います。
なんだか当たり前に聞こえますが、実はメルクリン以外の鉄道模型ではなかなか実現できないことなのです。

急カーブを曲がれるので小さなスペースでも遊べます

メルクリンのHOゲージ(縮尺1/87)は、日本で主流のNゲージ(1/150)よりも、車両自体は大きなサイズです。大きさだけ比較すると遊ぶために必要なスペースはそれなりに必要なイメージがありますが、実際にはだいたい畳一枚分程度の大きさから遊ぶことができます。Nゲージで必要なスペースとそれほど変わりません。
理由はメルクリンの列車は急カーブを曲がれる設計になっているからです。メルクリンの製品はほぼすべての車両が、半径360mmの急カーブを問題なく曲がれるようになっています。
つまりレールを円の形に敷いた時に、円の大きさは約72cmになる計算です(線路の中心からの距離なので線路の端までは76cm程度必要)。どんな列車でも、1m四方の大きさ以下でぐるぐると走らせることができます。車両が大きいからと言って、広大なスペースを必ずしも必要としないのです。

また、レールを円形にしなくても自動で往復運転などを設定して遊ぶこともできます。この場合は一定の長さの直線のレールだけでも遊ぶことができます。
メーカー純正品を組み合わせるだけでいろいろなパターンで運転することができる点も、メルクリンの特長のひとつです。

簡単操作で、ライトが点きます。音が出ます。煙が出ます。
信号機で停まります。

現在のメルクリン製品はデジタル制御方式を採用しているため、操作は非常に簡単です。画面にタッチしたりボタンを押すだけで、列車の運転をすることができます。

画面に表示されている速度計で希望の速度を指定すれば、列車は自動的に走り出して指定した速度まで加速します。

ライトのマークの付いたボタンを押すと、列車の前照灯や室内等が点きます。
警笛のマークの付いたボタンを押すと、ピーッという警笛音がなります。車両によっては警笛以外にも、エンジンの音、走行音、駅のアナウンスなど、様々な音を出すことができます。
煙突から煙が出ているマークを押せば、蒸気機関車の煙突から本物そっくりの煙を出すこともできます。
信号機を買ってきて、コントローラーで信号機を赤に切り替えると、列車は何もしなくても信号機の前で自動的に停車します。
ボタンを押すとパンタグラフを昇降できる電気機関車もあったりします。

小さなお子様でもできる簡単操作で、これらの多彩な機能を楽しむことができるのです。

コントローラーのマークにタッチして操作する写真

自動運転だってできちゃいます

パソコンや特殊な機器を接続しなくても、高機能コントローラーを使えば、たくさんの列車を自動で運転することができます。

直線のレールを端から端まで自動で往復したり、途中の駅で停車させたり、単線で2台の列車を行き違いさせたりできます。大きな駅に停まっている列車を次々と発車させたりすることもできます。
自動でポイントを切り替えて、1台の列車が四方八方に伸びたレールのあちこちに走っていくようなレイアウトだってできるのです。

アイディア次第で、あなたの部屋に鉄道模型博物館を建設することだって、夢ではないのです。

メルクリンの仕組み

電気で動いています

メルクリンは電気を使って列車を動かしています。
見た目は蒸気機関車やディーゼル列車でも、鉄道模型では全て電気で動いているのです。
電源は家庭用の100Vコンセントに電源ケーブルを差して利用します。

本国のドイツでは家庭用の電源は230Vなので、海外で購入したメルクリンのコントローラーなどはそのままでは日本では遊ぶことができません。
HRSでは、日本で使用できる100V用の専用自社製ACアダプターも用意していますし、スターターセット等には同梱しています。ですので、電圧の差については考えなくても、箱から出して普通に遊んでいただけるようになっております。

中央接点式集電方式(3線式集電)を採用しています

メルクリンの最大の特長はレールへの給電システムです。
Nゲージなどのメルクリン以外のほとんどの鉄道模型は、機関車のモーターを動かす為のプラスとマイナスの電極を左右のレールに別々に通電させ、機関車のホイール(車輪)から集電する方法が一般的です。これを2線式の集電方式と言います。
メルクリンは左右のレールとは別に、線路の真ん中に3本目のレールである通電用の突起を作り、機関車にはシューと呼ばれるスキーの板状の集電装置で集電する方法をとっています。レールが3本あることから「3線式」の集電方式と呼ばれます。
2本のレールに複数の車輪が接していることと、中央のシューも複数の接点に接する構造になっていることから、より高い集電性を確保することができ、安定した走行が可能になっています。

2線式と3線式の機関車の集電方式の違いの図

機関車の下に付いているシュー

3線式集電のメリット

3線式の集電方式には、通電状態の安定性以外にも大きなメリットがあります。それは線路配線の自由度です。
下の図をご覧いただくとわかりやすいです。

2線式のリバース配線の図

3線式のリバース配線の図

左右のレールに別々の電気を流している2線式では、上の図のように、左右のレールの向きが反対になる形にレールを繋いでしまうと、そこで電気がショートしてしまい列車を走らせることができなくなってしまいます。
このように電気がショートする形にレールを繋いでしまうことを「リバース配線」と呼びます。
一方、3線式ではレールに流れる電気は常に左右対象です。レールをどのような形で繋いだとしても、電気がショートすることはありません。


2線式でも、リバース配線の部分を絶縁したり、電気の極性を反転させる機器を設置すれば、このような形の線路に列車を走らせることはできます。そこで、ちょっと想像してみてください。
レイアウトに線路上に走っている列車がたった1台しかいない時には、2線式でもそんなに大変だとは思わないかもしれません。しかし、列車が2台、3台と同時に走るとしたらどうでしょうか。
列車の走る位置によって、レールに流れる電気の流れを細かく変えてあげる必要が出てきます。これは大変です。

メルクリンに限らず、現在の鉄道模型はデジタル制御方式のものも多いので、1本のレールの上に複数の列車が走る仕組みは当たり前になっています。しかし、2線式のレイアウトでたくさんの列車を走らせることは、構造的に複雑で難しい設備が必要になることがお分かりになると思います。
メルクリンの3線式なら、列車がどこを走っていても何台走行していても、レールの配線に左右されることはありません。
結果的に、レイアウト全体の配線が簡単になり、電気的にもシンプルになるので、列車が安定して走行することができるのです。

3線式のレールの上を走る電車

【補足】
デジタル制御方式の鉄道模型ではレールには交流の電気が流れています。
交流の電気はプラス・マイナスの極性が常に反転しているので、厳密には図のようなプラス・マイナスという極性はありません。ただし、ある一瞬の状態を見た場合には、直流と同じように極性があることになりますので、交流デジタルでも2線式のリバースの問題は発生します。図ではよりわかりやすくイメージをしていただくために、あえてプラス・マイナスという表現をしております。
ちなみに、メルクリンではアナログ制御方式の場合でも交流の電気を流していますので、直流を使用しているNゲージ等とは方式が異なります。

架線を張ることができます

メルクリンでは本物同様の架線を張ることができます。
レイアウトの中に架線柱を立てて架線を張ると、パンタグラフを上げた時には架 線に接した状態で走行するので、見た目にもリアルです。

架線は、もともとアナログ制御方式で運転していた時代に、線路上の2両の機関 車を別々に動かすために 有ったシステムです。
デジタル化でその必要がなくなったことと パンタによる点集電では、デジタル 信号を確実に機関車に伝えられないことがあるのでメルクリン社 は、デジタル での架線集電を推奨していません。現在のデジタル制御でも架線を張ってパンタ グラフを当てて走行させることは問題ありません。

架線を張った状態で走行する機関車

デジタル制御方式で多彩な機能を操作できます

メルクリンの列車はデジタル制御方式で運転します。
従来のアナログ制御方式では、レールに流れる電気の電圧を変えて、直接モーターの回転数を変えて列車の速度を調整していました。そのため、レールの上に複数の列車が走っていると、それぞれの列車を個別に制御することは困難でした。

デジタル制御方式では、レールには常に一定の電圧がかかっていて、常に電気が流れています。
機関車の中にはモーター以外に、「デコーダー」と呼ばれる機器が搭載されていて、レールを通じて機関車に送られた電気信号を、このデコーダーで解析してモーターを制御します。デコーダーとは各列車を運転している「運転士さん」に相当すると考えるとわかりやすいでしょう。
運転指令室であるコントローラーからの指示を、運転士であるデコーダーが個別に受け取って機関車の動きを制御するので、レールの上に何台もの列車が乗っていても、それぞれ全く別々の動きをさせることができるのです。デジタル制御は、多くの機関車がレールに乗っていても 止まったままに出来るんです。

デジタル制御方式の図

レールが1本しかなくも、複数の列車が個別の区間を走ったり、重連するように動いたり、反対に正面衝突するように動いたりすることができます。また、デコーダーを搭載したことによって、ライトやサウンドなどの豊富な機能を扱えるようにもなりました。

デジタル制御になっても、メルクリンの機関車には互換性がありますので、従来のアナログ運転のレイアウトをお持ちの方もそのまま遊ぶことかできます。
※最新のデジタル機関車をそのままアナログレイアウトの上で、アナログ機器のままで走行させることができるようになっています。

広がる楽しさ

充実のラインナップ

機関車・客車・貨車 と充実したラインナップが揃っているのもメルクリンの魅力です。
毎年2月にその年の新製品を発表、100種類以上の新製品をカタログに掲載されます。通常品として生産を続けるモノから、期間限定・数量限定や会員限定の商品など様々な趣向でラインナップを彩ります。
また、製品一つ一つにこだわりがあるのもメルクリンの奥深いところです。同じ車両でも品番が変われば、車両ナンバーを変えて作るなど、細かいこだわりがあります。リアルに編成を作ることも可能ですし、国別や時代別に組み合わせたり、模型ならではのファンタジーに組み合わせるなど、豊富なラインナップから自由に自分だけのコレクションを楽しむことができます。

レイアウトを作る楽しみ

Cトラックと呼ばれるメルクリンのレールは、繋いだり外したりが簡単です。遊びたいときに線路を敷いて、遊び終わったら片づけるお座敷レイアウトで手軽に遊べます。
一方でストラクチャーやジオラマを作りこむ本格的なレイアウトを作ることもできます。
Cトラックとは別に、よりレイアウト向きの実感的なKトラックも用意されていますし、ヨーロッパのメーカーからは、様々なレイアウト用品が発売されています。
まさに鉄道模型の本場ならではの遊び方を追求できることも、メルクリンの楽しみのひとつです。

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