ブレーキモジュールの接続方法

ブレーキモジュールを配線する

1. 箱の中身を確認する

信号機で列車が停止するようになりましたが、デジタル方式のレイアウトでは、少し不自然で感じる点が2つあります。
ひとつは赤信号で停止している間は、完全に絶縁されてしまっているので、サウンド付きの機関車の場合、サウンドが止まってしまうこと。もうひとつは速い速度で走ってきた場合には、急激に停車してしまうことです。
ブレーキモジュールとk83デコーダーを追加すると、これらの現象を改善することができます。

もともとアナログ運転の時代には走行サウンドはありませんでした。また、いきなり絶縁区間に入ったとしても、モーターの関係で多少は過走する状態でしたので、不自然間もそれほどありませんでした。
デジタルになってサウンド付きの機関車が発売されたりしてできることが増えたので、それに対応するために追加された機器がブレーキモジュールです。

k83デコーダーは各種ソレノイドアクセサリーをコントロールするデコーダーです。1台で4つのソレノイドアクセサリーをコントロールすることが出来ます。
デジタル信号機にはもともとデコーダーは搭載されていますが、ブレーキモジュールを使用するためには、信号機の基板のデコーダーは連動させることが出来ないので、k83デコーダーに切り替える必要があります。

ブレーキモジュールの箱の中身はモジュールが入っているだけです。

ブレーキモジュールの写真

k83デコーダーの中身もデコーダーとコネクターが数個入っているだけです。

k83デコーダーの写真

モジュールを正しく配線して使えるようにします。

2. ブレーキモジュールを配線する

ブレーキモジュールを使用する場合には、信号機を設置する部分を、3つの絶縁区間に分割します。
それぞれ、交流を直流に切り替えるための「1.過渡区間」、機関車が減速するための「2.ブレーキ区間」、そして万が一、ブレーキ区間内で止まりきれなかった場合に、電源が供給されていない区間を作って緊急停止させるための「3.ストップ区間」です。
機関車は1.過渡区間を通過して、2.ブレーキ区間に進入すると、機関車ごとのデコーダーに設定されている減速率に従って、自動的にブレーキをかけて止まります。ブレーキの掛かり具合が緩くてブレーキ区間内で停止できなかった場合でも、3.ストップ区間まで進むと緊急停止します。

信号機の手前のちょうど良い位置で停車させるためには、
(1)ブレーキ区間に進入する機関車の走行速度
(2)ブレーキ区間の長さ
(3)機関車のデコーダーの減速率の値
の3つを、レイアウトと機関車ごとに調整して決める必要があります。

1.過渡区間の長さは機関車のシューの長さがベストです。
この区間は電気的な変換を行なっているため、長すぎると機関車の動きがぎくしゃくした感じになります。Cトラックの場合、94mm(24094)1本分とするのが良いでしょう。

2.ブレーキ区間の長さはレイアウトごとに調整して、適度な長さを決められますが、少なくとも40~50cmは確保した方が良いです。一般的なレイアウトでは、188mm(24188)のレール3本分くらいが良いでしょう。

3.ストップ区間は緊急停止できる長さがあれば十分です。通常は188mm1本程度あれば機関車は停車できます。

調整は、最初に機関車の走行速度を決めます。または、ブレーキ区間の長さに合わせて、ちょうど良い位置に停止する走行速度を試して見つけます。
それで満足いく結果が得られない時には、ブレーキ区間の長さや、デコーダーの減速率を調節します。
詳細はHRSまでご来店の上、ご相談ください。

それでは下図のように配線します。
かなり線数が多くて大変なので、1本ずつ確認しながら配線していきましょう。

ブレーキモジュールの配線図

信号機の基盤に赤/緑線を繋いで、それをk83デコーダーの緑/赤端子に接続します。
※緑/赤線はデジタル信号機に付属しているものを使います。

信号機を接続したk83デコーダーの端子の緑/黄/赤線を、すべてブレーキモジュールのdecorder端子に接続します。
※純正のコネクターは、互いに直角に差し込むことで追加配線接続が出来ます。

k83デコーダーの赤茶端子(上側:メルクリンと書いてある側)と、ブレーキモジュールの信号機の絵が付いている側の赤茶端子を、接続します。

ブレーキモジュールのS→STOPの絵の付いた端子の線を、それぞれ、1.過渡区間2.ブレーキ区間3.ストップ区間のセンターレール(CトラックのB端子)に接続します。

k83デコーダーの赤茶端子(下側:decoder k83と書いてある側)を、トランス(電源)に接続します。

以上で完成です。

【注意】
デジタル信号機のアドレスは、k83デコーダーのアドレスと同一の番号を割り当ててください。別の番号を割り当てると、間違って信号の基板のアドレスで信号機を切り替えてしまった場合には、ブレーキモジュールで停止できない状態になります。

実際に配線した状態が下の写真です。

ブレーキモジュールに配線した写真
ブレーキモジュールに配線した裏面の写真

ブレーキモジュールを使って信号機で列車を止めてみよう

それでは実際に列車を止めてみましょう。

列車を走らせます。
キーボード画面で信号機を赤にしておくと、列車は信号機の前で停止します。
停車中もサウンドは鳴っています。また、よりスムーズな停車が出来るようになりました。

停止した列車は信号機を青にすると、再び元の速度で走り出します。

《動画で見てみよう》